ブーマー - トレンド中の迷いを捉える
ブーマーはジェフ・クーパーが
「ヒットエンドラン株式売買法」
にて紹介した短期売買の手法で、
トレンドにある銘柄が、暫くトレンドを休止し再度トレンドのある方向に動き出す時を捉える取引手法です。
原著ではADXをフィルタとして使用するものと、
拡大レベルブーマー(ELB)として60日高値を更新したあとにトレンド休止のパタンが現れた時に取引するものの2種類が紹介されています。
ここでは、その両方で検討を行いました。
買いルール(ブーマー)
- 14日ADXが30より大きく、+DIが-DIを上回っている
- 2日目の高値は1日目の高値を更新せず、2日目の安値は1日目の安値を更新しない(孕み足を形成する)
- さらに3日目の高値は2日目の高値を更新せず、3日目の安値は2日目の安値を更新しない(2日連続で孕み足を形成する)
- そんな4日目に限り、当日の高値より1tick上に買い注文を置く
- 数日後の寄りつきで手仕舞いする
買いルール(拡大レベルブーマー)
- 株価が過去60日高値を更新する
- 2日目の高値は1日目の高値を更新せず、2日目の安値は1日目の安値を更新しない(孕み足を形成する)
- さらに3日目の高値は2日目の高値を更新せず、3日目の安値は2日目の安値を更新しない(2日連続で孕み足を形成する)
- そんな4日目に限り、当日の高値より1tick上に買い注文を置く
- 数日後の寄りつきで手仕舞いする
結果 - 日本株式
テスト期間:2000/1/1 - 2010/11/1
ブーマー・ストップエントリ
日数 | 取引数 | 勝率 | E比率 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
1 | 1203 | 47.6 | 1.206 | 0.362 |
3 | 1174 | 47.4 | 1.197 | 0.257 |
5 | 1148 | 47.0 | 1.187 | -0.046 |
ブーマー・寄りつきエントリ
日数 | 取引数 | 勝率 | E比率 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
1 | 2312 | 44.3 | 1.051 | -0.007 |
3 | 2223 | 46.8 | 1.085 | 0.131 |
5 | 2144 | 47.2 | 1.120 | 0.310 |
ELB・ストップエントリ
日数 | 取引数 | 勝率 | E比率 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
1 | 317 | 51.4 | 1.245 | 0.433 |
3 | 315 | 45.1 | 1.121 | -0.105 |
5 | 313 | 47.9 | 1.113 | 0.052 |
ELB・寄りつきエントリ
日数 | 取引数 | 勝率 | E比率 | 期待値 |
---|---|---|---|---|
1 | 675 | 44.1 | 1.032 | -0.074 |
3 | 668 | 44.9 | 1.012 | -0.127 |
5 | 659 | 48.4 | 1.038 | 0.087 |
原著通りの優位性・取引数がネック
この投資手法の特徴は、取引回数がきわめて制限されると云う事です。 2日続けて孕み足を形成するケースは稀である事が原因であることは間違いないと思います。
エントリ手法としては寄りつきで仕掛けるよりも、原著通りストップエントリの方が優位性があります。 また、翌日の寄りつきがもっとも優位性が高く、その後徐々に優位性が落ちてきているため、極めて短期の取引において有効と云えると思います。
ただし、この取引手法自体の取引回数がきわめて少なく、この後に優位性を挙げてゆく為にさらにフィルタを追加する等を行える余地は殆どありません。 もう少し緩和された条件で取引を行う事も検討すべきでしょう。