DMI - Directional Movement Index

DMIはJ・ウエルズ・ワイルダー・ジュニアが 「ワイルダーのテクニカル分析入門」 にて紹介した指標です。 DMIでは上昇・下降の強さを表す+DI/-DIと(上昇・下降に係わらず)トレンドの強さを示すADXという2種類の指標があります。

DMIの基本的な考え方は、相場の動きから前日の値幅分を差し引いた、正味の値動き分を測ろうと云うものです。 +DI/-DIはそれぞれ、上昇分・下降分の値動きの平均値を真の値幅の平均(ATR)で割ることで、 値幅の何パーセントが上昇・下降相当かを測ります。

また、+DIと-DIの絶対値の和は正味の値動きは上下併せてどれだけあるかを表します。 例えば、+DIが14、-DIが40だとすると、両者の和は54ですので、値動きの54%が正味の値動きと云う事になります。 逆に言えば値動きの46%は前日の値幅からはみ出さない、謂わば実効性の無い値動きと云う事ができます。

さらに、+DIと-DIの差の絶対値は上下動の偏り度合を示しています。 例えば、+DIが14、-DIが40だとすると、両者の差は36ですので36%の値動きは(この場合)下降に偏っていると云う事です。 ADXはこの上下動の偏りの正味の値動きに対する割合の平均値です。

計算方法

  1. +DMと-DMを算出する。
    +DM = 当日の高値 - 前日の高値
    -DM = 前日の安値 - 当日の安値
  2. +DMと-DMのうち、大きい方の数値を採用する。採用されなかった数値は0とする
  3. +DMと-DMの移動平均をATRで割り、それぞれを+DI、-DIとする
  4. ADXは下記の計算式で得られるDXの移動平均
    DX = | (+DI) - (-DI) | / ( (+DI) + (-DI) ) * 100