移動平均乖離率 - 平均回帰を利用した投資法

先日本屋で立ち読みした本(書籍名忘れました、すいません)の中で、面白い投資法が書いてありました。
なんでも、「移動平均の乖離が20%以上になったら平均回帰する方向に翌日の寄りつきでエントリーすれば80%の確率で勝てる」とか何とか。
読んだ時の私の最初の反応は「そんな簡単な話があるわけがない」というものでしたが、 投資手法を検証する事が自分の仕事なので、早速家に帰ってから検証をしてみました。

買いルール

  1. 50日移動平均を20%(または25%)下回ったら翌日寄りつきで買う
  2. 数日後の寄りつきで手仕舞いする

売りルール

  1. 50日移動平均を20%(または25%)上回ったら翌日寄りつきで売る
  2. 数日後の寄りつきで手仕舞いする

結果 - 日本株式

テスト期間:2000/1/1 - 2010/11/1

閾値20%

日数取引数勝率E比率期待値
1681151.41.1210.058
3482953.91.1250.109
5390455.41.1120.148
10290555.01.0680.125

閾値25%

日数取引数勝率E比率期待値
1329951.51.1100.047
3236355.61.1370.148
5118752.91.1940.258
10145156.21.1120.178

平均回帰は馬鹿にできない

最初この結果を見た時、正直云って頭を殴られた様な衝撃を受けました。
移動平均から大きく乖離した時に買ったり・売ったりするだけでこんなにも高い利益率をたたき出せるのですから!
勝率は80%には届きませんでしたが、原著では損切り・利食いのルールもあったので、それも関係していると思います。
いずれにしても、シンプルな投資手法がいかに強力かを示すもの凄い証拠となった事は確かです。

ただし、本質的脆弱性には疑問

ただしこの手法の気には、2008年に起きたような暴落に対して弱いのではないかと云う当然の疑問が残ります。
逆バリの手法を採用していて単純にエントリするだけならば、極端な暴落が起きた時にも買いのポジションを取る事になるからです。
基本的にはあのような暴落は100年に一度起きるか起きないかと云われていますが、それでも絶対に起こらないわけではありません。
その為に備えた追加のルールの検討が課題となると思います。