勝率 - 勝ちが多ければ良いと云う訳でもない

勝率とは、その投資手法で取引した場合にどれだけの割合で利益となるかを表す指標です。 例えば、ある投資手法で100回取引して、そのうち60回が利益に終わったとした場合、その手法の勝率は60÷100=0.6で60%となります。

勝率は投資手法の優位性を測る重要な要素の一つですが、巷で云われているほど重要な要素ではありません。 その理由は大きく云って2つあります。

理由1 - 勝率が50%を上回る投資手法は殆ど存在しない

身も蓋もない話ですが、残念ながら勝率が50%を大きく上回る様な投資手法は殆ど存在しません。 なぜならば、マーケットは殆どランダムに動いており、あるタイミングで仕掛けた場合に他と比較して上昇する確率が高い条件というものは殆ど無い(≒ランダム)からです。

実際、投資研究で紹介している各種取引手法を見ても、勝率が50%を超える手法は殆ど無い事がわかります。

理由2 - たとえ勝率80%でも20%の損失が大きければ儲からない

勝率を重視して、少しでも利益が出た段階で手仕舞いすればもちろん勝率は上がります。 ですが、その場合の利益は微々たるものとなり、逆に損失は大きくなることが予想できます。

例えば、勝率80%だったとしてそれぞれの取引で1万円を稼いで8万円の利益を積み上げた後、 2回続けて5万円の損失を出したとしたらどうなるでしょうか?

一連の取引で稼いだ利益は、1万円×8回=8万円。 一方、出した損失は、5万円×2回=10万円。 当たり前ですが、最終的には損失となっています。

この様に例え勝率が高かったとしても、相対的な利益の大きさと損失の大きさの差が大きくなってしまえば、最終的には損すると云う事がよくあるのです。